「 僕は「運命」って言葉が嫌いだ。生まれ、出会い、別れ。成功と失敗。人生の幸不幸。それらが予め運命によって決められているのなら、僕たちは何のために生まれてくるんだろう。裕福な家庭に生まれる人、美しい母親から生まれる人、飢餓や戦争の真っただ中に生まれる人。それらが全て運命だとすれば、神様ってやつはとんでもなく理不尽で残酷だ。あの時から僕たちには未来なんて無く、ただきっと何者にもなれないって事だけがはっきりしてたんだから。 」
「 人は何のために生まれるのか。あくせく毎日を過ごすためだけに人が作られたのだとしたら、それは何かの罰なのか。それとも皮肉なジョークなのか。そんなんじゃ、遺伝子にプログラムされた生存戦略に忠実な動物の方が、よっぽどシンプルで美しい。もしこの世界に神様と呼べるものがいるのなら、そいつに一つだけ聞きたい。人の世界に「運命」は本当にあるのか。もし、人が運命を無視して、本能も、遺伝子の命令も無視して、誰かを愛したとしたら神様、そいつは本当に人なのか?「…なんてね。」俺は「運命」って言葉が嫌いだ。 」
「 あたしは「運命」って言葉が好き。だって、「運命の出会い」っていうでしょ?たった一つの出会いが、その後の人生をすっかり変えてしまう。そんな特別な出会いは偶然じゃない。それはきっと、「運命」。もちろん、人生には幸せな出会いばかりじゃない。嫌な事、悲しい事だってたくさんある。自分ではどうしようもない、そういう不幸を運命だって受け入れるのは、とても辛い事。でも、あたしはこう思う。悲しい事、辛い事にもきっと意味があるんだって。無駄な事なんて一つもない。だって、あたしは運命を信じているから。 」